交流会用ガバガバ実況解説講座
僕はポケモンサークルの代表かつ渉外、そしてやたらと交流会の会場を提供する立場上、交流会でスクリーンに映した対戦の実況解説を務めることが多い。
自分は喋るのが上手ではない。というか日本語がかなり苦手である。だが、約2年ほどコレをやってきたせいで、交流会の実況に特化した喋り方は掴めてきた。
僕もそろそろサークルの代表職を引退する。なので、2年間で掴んだノウハウの一部分だけでも残しておこうと思った。ちなみに、多分参考にはならないし、すべきでないと思う。
そのまま言うな
個人的によくないと考える実況例を示す。
「手前側カプ・コケコの10まんボルト、カプ・テテフに4割のダメージ。カプ・テテフのサイコフィールド下のサイコキネシスでコケコ死んでしまった」
お前が言わなくても見ればわかる。参加者に盲目の人がいない限り、必要がない。
読書感想文にあらすじだけ書いても仕方がないのと同じである。だから何?というのをしっかり述べる。
だからと言って難しいことは考えなくて良い。「つよい」「よわい」だけ述べればおk
「手前側カプ・コケコの10まんボルト、カプ・テテフにこれしか入らない!種族値をご存知の皆さんはご存知の通りカプ・コケコの火力なんてサンダース未満ですからね。当然。そしてカプ・テテフのサイコキネシスでコケコ死ぬの?死んじゃうの?あー死んだ!テテフTUEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!」
とにかくコケコが弱いこと、テテフが強いことをアピールする。
会場全体が一体となって盛り上がるには意思もひとつになることが望ましい。
その上で「つええwwwwww」「よっわwwwwww」という感情はとにかくまとまりやすい。というのも、ポケモンの強弱は、相手に沢山ダメージを与えられる奴はつよい、相手にダメージを与えられない奴はよわいと、ダメージという客観的数値によって明確にわかるからだ。
実況は、全員の持っている「つよい」「よわい」を一つにまとめるのを煽動するだけでよい。
ここで注意して欲しいのは、よわい!とディスる時はプレイヤーでなくポケモンに対して言うこと。
当たり前だがプレイヤーによわい!とか雑魚!って煽るのは失礼だし、面白くない。
ポケモンがよわい!のは客観的に見てよわいのだから仕方がない。事実を言ってるのだから許される。勿論、言い方には気をつかうべきである。基本、こいつ数値が低い!というふうに貶せば間違いない。
場合によっては、対戦後に罵ったポケモン側のプレイヤーには詫びること。
被弾時は「ウオオオオオオ」と言っておけ
雑なアドバイスだ…。
プレイヤー間では、HPゲージが減少する時間は、死ぬか・耐えるかの緊張感がある。これが楽しい。
実況を行う者は、この緊張感、感情を会場全体でシェアしなければならない。だからミリ耐えしたら「ウオオオオオオ」だし、死ぬか怪しいラインの攻撃で死んだら「ウオオオオオオ」。プレイヤーと共に喜び、共に泣く実況でありたい。
別に本当に「ウオオオオオオ」と言えという意味ではないよ。念のため。
盛り上がる場面を利用しろ
このゲームには何匹か「スクリーン映え」のするポケモンがあって、そいつらは実況が何を言っても面白いので非常に助かる。
他にも、「この場面ではこれを言っておけば大体間違いない」というシーンは複数存在するので、ラッキー!と利用しよう。
実況を考える負担が減る。いいか、交流会は複数戦するんだぞ、ラクできるところでラクしないと頭がパンクする。
オニゴーリ
世紀末救世主。実況ラク界のケンシロウ。どう足掻いても面白いし、会場も勝手に盛り上がってくれるので実況は好きなことを言って良い。
本当に便利なのは見せ合い画面で、本来であれば1分30秒場を繋がなくてはいけないところを「皆さん、スマホを取り出して、ムラっけカウンターと検索してください」とでも言っておけばおk。
メガオニゴーリだった場合もそれはそれで面白いのが神。
イーブイ
突如ガチ環境にやって来た謎生物。
見せ合い画面及び登場した時には「なんか弱そうな奴出てきた!」「種族値低そう!」「手前側ガブカグヤ、数値の塊ですね。つよそーーーーーーwwwwww一方奥はドーブルイーブイ笑笑」
ナインエボルブースト使用時は「なげえ!」「演出がなげえ!」「このあとほえられたら面白いね」とディスり散らし、
そのままバトン先のエーフィが無双したら「エーフィTUEEEEEEE!つ、つえええええ!ウオオオオオオおおお」、バトンに失敗したら「やっぱポケモンは種族値が高いほうがつえーわ」で良い。完全に作業。
たがやす
例の顔文字通りに声を出せばそれでいいので感謝しています。
ダブルバトルの猫ミラーなど、択ゲー発生時
例えば6thダブルのガルーラスイクン対ガルーラランドロス、もしくは4thGSのグラードンクレセリア対パルキアゴウカザルのような状況。
ここで、これだけ覚えておけば全ての場面で使える便利な単語を2つご紹介する。
「「「全日本択うま選手権」」」
「「「諸説」」」
基本的に「全日本択うま選手権が開幕してしまった」「これは諸説対面」「諸説オブ諸説。好きな東方の原曲はナイト・オブ・ナイツです」の形で使用する。
択に勝ったプレイヤーには「択うまマンじゃん」「ポケモンが上手」「択ゲーの神」など雑に絶賛しておけばよい。
択に勝ったかどうかは別として、例えばガルガルミラーで片方がメガシンカしなかった時などは「ちゃんとガルガル猫をケアしている」と褒めるとみんな気分がいい。
択ゲーである以上、結果論は別として、理論上は正解不正解は存在しない。なので、プレイヤーの行動を非難してはいけない。
身内の行動は非難してよい
前項は、「特定のパターンに当てはまる場合はそれに合った実況をすればよい」という話だったが、極論を言ってしまえば、全てパターンで解説できるはずである。というか僕はそうしてる。事前のシュミレーションを怠らない。
日本史の先生は、「〇〇の覚え方が分かりません」と言われてから、語呂合わせを考えるのだろうか?違う。
故に解説者も、スクリーンを見てから実況を考えるのではなく、スクリーンを見て適した実況を引き出す形でなくてはならない。
だから僕は、今日も明日もFCロトムが特殊技を被弾した時は「こいつサワムラーより特殊耐久低いですよ」と言うし、ゴツメサンダーを見た時は、「こいつテラキオンより耐久指数低いんですけど」と言い続ける。ガブリアスの前のウインディレヒレには「服従の構え*1が出来上がった」って言う。
どうしようもない時は困惑しろ
2年間この仕事をしてきた僕でも、なかなか滅多に見ない、シュミレーションにない場面というのは訪れる。
そんな時はこう言っておけばいいのだ。
「わあああああああああああなんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだなんだ」
自分にとって未知の盤面は、95割がた観客にとってもまだ知らないシーンで、そんな時は会場みんなで「なんだこれ!?」で団結すればいいのだ。これも立派な会場の盛り上がり方である。
〜〜〜
こうしてみんなの気持ちを一つにして、一つの対戦を交流会の1イベントとして成立させる、この達成感。
これが僕が実況解説をやってよかったなと思えた宝である。